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高知新聞連載 (地球・美の幻風景) 世界遺産 白川郷  宿し続ける大和の力

 

     守り継がれる自然との共存

   Photo

 

 

       ~世界遺産 白川郷~  

 宿し続ける大和の力

 

 

 

  しんしんと降り積もる雪の中に

  ひょっこり顔を出したキノコのように、立ち並ぶ家々。

   1995年に世界文化遺産に登録された白川郷。

 

  手と手を合わせた姿に似ているところから

  合掌作りとその名がつけられたという。

  冬には豪雪で閉じ込められるこの集落で、

  生きる為に人々が心を合わせ、助け合いながら

  生活をしてきた証なのかもしれない。

 あらゆる知恵と力を心に託し、自然に逆らう事もなく

 寄り添うように、

 集落を守ってきた人々の

 生活の様子がうかがえる。

 そこには常に、働く人々の姿があった。

 雪解け水の恵みを受けて収穫された作物は

 干したり漬けたり、

 丁寧な作業を得て保存されていく。

 雪にさらしたコウゾは白く丈夫な紙となり、

 人々の生活を支える。

 居間の囲炉裏からはいい匂い。

 ことこと、ぐつぐつと生活の息づかいが

 とどまることなく漂っている。

 そして、その煙は屋根裏を強くするという。

 あるがままの生活がそこにはあった。

 非日常的に感じる時間の流れは、実は日常。

 その時間の軸につかまりながら

 私は集落を歩いた

 茅葺の家々は想像していたよりも

 ずっと大きく目の前に迫る。

 太陽の光を浴びる事によって

 強く丈夫になると言う茅。

 家々は皆、光を受けるように

 同じ方を向いて建てられている。

 何だかみんな、こちらの方を向いて

 笑ってくれているようだ。

 夜になり、ひとつ、またひとつと

 明かりがと灯りだすと、

 まるで沢山の宇宙船が

 舞い降りてきたようにも見える。

 古くて新しい、いや、

 次元の越えた世界的な遺産だ。

 厳しさと温もりが凝縮された、

 白川郷の生活に触れながら、

 まばゆい陽光が肌を焦がす

 自分の故郷を脳裏に描くと、

 その落差は滑稽にさえ思えるが、

 そこには同じ日本人を惹きつけて

 やまない情景があった。

 こうして、撮影をしながら

 日本中を旅していると、

 初めての土地なのにひどく懐かしい気分に

 襲われることがある。

 その思いが深ければ深い程、

 私の心は魅了される。

 日が落ちると、

 凍てつくような寒さがやってきた。

 足元の雪を風がさらっていく様子を

 じっと見つめていると

 だんだんと意識は冴え渡り、

 集落をもっと高い位置から、覗いてみたくなった。

 

 宿し続ける大和の心・・・。

 

 

 

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