« 2014年 明けまして、おめでとうございます。 | トップページ | 桐野伴秋の世界  一日写真展 御礼 »

高知新聞連載1月8日(地球・美の幻風景)~記憶の再生~水平線のその先に

 

  今年最初の地球・美の幻風景は

  私の代表作の一つでもある

  「記憶の再生」です

  偶然に出会えた、この風景に私は魅了され、

  写真の不思議さ、面白さを知ったのも この頃です。

Photo

 

 

 

 

 ~記憶の再生~ 

 

 

        水平線のその先に

 

 

 

海は波に揺られながらゆっくりと表情を変える。

夜明けから日の出までの僅かな時間、

とどまることなく太陽の光りに押し上げられて、

波はざわつき、染められていく。

新しい命が宿るかのように、

朝を迎えるたびに繰り返されるこの儀式は

見る人の心をいつも新鮮にする。

 

カメラに携わり20年余り。

この年月の中で、

私自身が代表作と呼ぶ作品が何点かある。

 

それはその作品が特に優れているとか

景色が素晴らしいとかではなく、

私をいつも原点に立たせてくれて、

でこぼこした気持ちを

平らにしてくれる作品である。

 

驕ることなく、卑下することも無く

リセットされた自分に向き合える、

今の自分の姿を鏡のように映してくれる。

「記憶の再生」と名付けた今回の作品も

私にとってそんな一枚だ。

 

水平線のその先に、

脳裏にはもう一つの景色が甦る。

船の上・・・。

私には珍しく海上からの夜明けだ。

 

甲板を吹き抜ける強い風と

明け方の冷たい気温の中、

一定のリズムを保ちながら

 

揺れる波の深淵を覗きこむと、水で溶いた絵の具のように

様々な記憶が流れだす。

水平線から押し寄せる厖大な波の数を

押し返すように

私はゆっくりと何度もシャッターを押し続けた。

 

やがて太陽が海を染めながら

一日の始まりを告げる。

もう一度海の中の小さな自分を確認し、

波の向こうの波、

空の向こうの空に続く未来は

何処からやってくるのだろうと、

 

想いを巡らせる。

 美しく重ねられた記録は

 記憶となってこの一瞬は

 永遠にとどまる。

 

新しい年を迎えるたびに

「初心に帰る」と言う言葉を立て直す。

新たな出発と飛躍を臨む程に

背筋を張って広がりを

感じなければならない。

 

昨年もたくさんのご縁に支えられ、

歩めた一年だったと言っても過言ではない。

人が苦手だった若い頃。

それが信じられないくらい、

今は人と人との繋がりの

ありがたさが身に染みる。

 

無数の点が大きな道筋となって、

多くの人に助けられた。

その横の繋がりを確かなものに

結んでくれたのは、

縦を結ぶ宇宙ともいえる大きな存在かもしれない。

 

 

 

|

« 2014年 明けまして、おめでとうございます。 | トップページ | 桐野伴秋の世界  一日写真展 御礼 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1238763/54543179

この記事へのトラックバック一覧です: 高知新聞連載1月8日(地球・美の幻風景)~記憶の再生~水平線のその先に:

« 2014年 明けまして、おめでとうございます。 | トップページ | 桐野伴秋の世界  一日写真展 御礼 »