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2012年5月

高知新聞連載5月23日(地球・美の幻風景)~美人林~

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                     ~美人林~

まだ ひんやりとした空気が肌を刺す頃 

いち早く新緑の季節を予感して ブナの木が一斉に芽吹き始める

その勢いは生命が炸裂するかのように力強く

芽吹く緑の葉は峰を駆け上がって行く 

まるで森を塗り替えて行くように新しい季節にタクトを振る 

残雪の中 始まる春の序章である

ここは新潟県松之山松口の丘陵

約3ヘクタールにわたり生い茂るブナ林 

豪雪のこの地にあって

これほどまでに幹が真っすぐなのはとても珍しく

あまりにもその立ち姿が美しいことから

「美人林」と呼ばれるようになったという

大きな雪の重みにも耐え しなやなに枝は延びる

柔らかな腐葉土をうっすらと覆う雪の上に

足跡をつけながらその中にはいると 

きゅっきゅっと靴の下で音が鳴るたびに

温かい地球の息吹が感じられるようだ

それぞれのブナはお互いを制することなく空に向かって寄り添い

芽吹き始めた萌黄色の透明感あふれる

生まれたての葉が太陽のまぶしい光を優しく地上へと届ける

なんて気持ちの良い 心地良い所だろう

調和に満ちた空間に身を寄せた時 

人はしばし 日常を忘れ無心になることができる

ブナの木に取り囲まれている自分は

何か特別の恩恵を受けた者のように

感謝の気持ちで満ちあふれた

ブナが受けた滴は 

深くその根に染み渡りじっくりと栄養を蓄えながら

そしてまた15年もの歳月をかけて地上に染み出していく

川となって 海となって 果てには空へ宇宙へと舞い上がるようだ

ブナの養分を含んだ水は

プランクトンや海藻にとても良い影響を与えるという

この水が循環し 森を育て 植物を育てる

なぜか私には まだ地球が陸のない海だけの状態の記憶を

持ち続けているような気がしてならない

この大いなる 大自然のサイクルに身を委ねた時

はるか宇宙の創造主と触れ合い 

目に見えない生命のぬくもりを感じる

レンズの向こうのブナ群は光を受けさらに輝きを増す

ブナの根の持つ温度が丸く雪を溶かし 

エネルギーが動いていることがわかる

突然 ガサリと音がして 

振り向くと大きなニホンカモシカがひょっこりと姿を見せた

どこにいたのか ふいに目と目が合い 私は狼狽した

この美人林の主なのだろうか?

彼は慌てる様子もなく 逃げるという様子もなく 

カメラを向けようとする私に後ろ姿を見せ 

ゆっくりとブナの中へ消えて行った

私は 静寂の中に一人取り残されたような気持ちだった

そして私の耳には 

今まで気が付かなかったさまざまな生命の歌声が聞こえてきた

ああ なんて多くの生き物が共存しているのだろう

まるでここは命の協奏曲を奏でる場所だ

あらためて私は 

今回この場所に訪れる事が出来たことを深く感謝した

人間にとっては あまり使い道がないと言われてきたこのブナの木

本当は地球にとって 一番大切な命の循環を何百年

何千年も前から黙って行ってくれてきたのだ

静かにブナの林の中を霧が通り抜けて行った

私はブナの「気」に包まれ 森という海を泳ぐように漂っていた

                         

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JR名古屋高島屋・作品展 無事終了 感謝の日々

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             名古屋の温かい皆様に囲まれた一週間の作品展
              無事終了いたしました 宝物をいっぱい携えての帰高です
              お手伝い下さった皆さま ご来場いただきました皆さま 
              関係者のみなさま ご縁をいただきました皆さま 
              本当にはかりきれない感謝の気持ちで一杯です
                  ありがとうございました 
                     感動を感謝にかえて・・・  桐野

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高知新聞連載5月9日(地球・美の幻風景) ~バーシング・ケーブ・再生の洞窟~

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                        ~バーシング・ケーブ・再生の洞窟~

セドナは祈りの地である

多くの人が心と身体の休息を求めこの地を訪れる

その中でも地元の人々に愛されているのが

このバーシング・ケーブかもしれない
 

一般の観光ツアーでは残念ながら組まれていることはなく

地元のガイドの案内でしか訪れることの出来ない場所である

人々の心の聖地として

ポータル的な役割を担っているところなのかもしれない
 

ざっくりと口をあけたような岩山はまさに母の胎内・・・

恐る恐る足を踏み入れてみる

ただただ懐かしく 母の懐に抱きかかえられた記憶がよみがえる

いや それは生まれる前の もっと 遠い記憶かもしれない

洞窟の中には さらに一人座れるくらいの小さな窪みがある

大地の温かさに触れて じっと座っていると

自分の過去 現代 そして 未来が白地図となって

羊水に揺られている感覚にとらわれる
 

ちょうど その洞窟の中から真正面に見えるボルティックスは

最も男性性のエネルギーが強いといわれる

サンダーマウンテン(岩山)で

この双方の強いエネルギーの真ん中で多くの人々は

宇宙のベールに包み込まれたような愛に涙する

バーシング・ケーブは別名 再生の洞窟ともいわれている 

洞窟の中は思ったよりも広く

通常のレンズでは全体を画面に収めることは出来ない

現地のガイドもいままでこの洞窟の全体像を

写真で見たことはないと言っていたので

私は超広角レンズを用いて撮影をすることにした

カメラと三脚を持っての岩場の撮影は

足元が滑り大変苦労したが

それを 助けてくれたのは素足の感覚だった

私は靴を脱いで

一歩一歩足元を確かめるように踏みしめ 感じ つかみ取る

足の裏からじんわりと大地の鼓動が伝わり 体中をゆっくりと巡る

どこからか歌のような音が聞こえて来る

自然が作り出した永遠の空間がすべてを洗い流し

また新たな自分を導いてくれる

そして

          愛は

                 私たち人類が生まれる前から

                                        存在している事をも教えてくれる

                                                         

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作品展開催 JR名古屋タカシマヤ

セドナ:奇跡の大地へ~桐野伴秋の世界~

開催日
2012年5月17日~5月22日
開催地
ジェイアール名古屋タカシマヤ
フォトグラファー
桐野伴秋

音楽家から転身、異色の写真作家による写真展。注目のパワースポット・セドナの雄大な岩山や大地を独自の表現で描き撮った作品約30点をご紹介。

開催概要

開館時間10:00~20:00
最終日は17:00閉場
観覧料無料
休館日会期中無休
主な展示作品点数約30点
本展覧会関連グッズ・書籍
展示関連イベントトークイベント
5月17日(木)19:00~、19日(土)17:00~
お問い合わせ先TEL / 052-566-1101  

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